MELTz

脳卒中患者のためのリハビリロボット

MELTz

脳卒中患者のためのリハビリロボット

Client

MELTIN MMI社

Services

  • ロゴデザイン
  • UXデザイン
  • UIデザイン
  • デザインシステム
  • マーケティング資料の作成

詳細はMELTIN MMI社のオフィシャルサイトでご確認ください。

The Mission

脳卒中を発症すると、手に麻痺が生じ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。私たちのクライアントであるMELTIN MMI社は、脳卒中患者のために、神経リハビリ機器「MELTz」を開発しました。このリハビリロボットは、脳卒中患者が手の使い方を再学習するための重要なツールとなります。理学療法士が患者の手にリハビリロボットを取り付け、リハビリ運動を行います。私たちのプロジェクトのミッションは、リハビリ機器に付属する操作画面のUIのデザインを作成することでした。

The Outcome

私たちは、MELTIN MMI社のリハビリロボットの操作画面UIをより魅力的に仕上げて、使いやすくデザインしました。さらに、MELTIN MMI社が新しい機能を追加し、製品の改善を継続的に行えるようにデザイン システムを作り上げました。

The Impact

MELTzの改良により、治療開始までの時間を短縮できるようになりました。MELTzは現在、日本の病院で活用されており、脳卒中患者が手の麻痺を改善するためのサポートをしています。MELTzは、理学療法士がリハビリ運動を安全かつ効果的に指導することを可能にし、医療現場で大きな役割を担っています。

脳卒中患者を支援するリハビリ機器を開発

MELTIN MMI社は、サイボーグ技術の研究開発を手がけるベンチャー企業です。当時、脳卒中を患った患者を支援するためのリハビリ機器を開発していました。

脳卒中を患った人は、手の運動神経を失うことが多く、手が固まり自由自在に動かすことができない場合があります。このような状態は、日常生活において大きな障害となります。そこで、手の運動神経の回復を目的とした理学療法があります。

MELTIN MMI社が開発したリハビリロボットは、神経リハビリテーションの技術を活用することで、治療のスピードアップを実現しています。この装置は、患者の手にリハビリロボットを装着して使用します。そして、患者が手の機能を回復し、より早く普通の生活を取り戻せるように支援を行っています。

The simplified MELTz start screen, going for a clean, user-friendly look that is harmonious with the rest of the medical device

プログラムを簡素化し、リハビリの効率を向上

MELTIN MMI社は、私たちがプロジェクトに参加する前から試作品を開発していました。ただし、ビジュアル面に少し改良の余地があると感じているとのことでした。

クライアントであるMELTIN MMI社と私たちが共にプロジェクトを進める中で、リハビリ機器の操作を簡単にする必要があることが分かってきました。また、設定やオプション機能が多く、中にはあまり頻繁に使用されないものもありました。このことから、理学療法士が機器を使いこなすことが難しいという問題が生じていたのです。

Some of the decisions that the medical professional would need to consider when setting up the treatment plan for a patient

現場のニーズを理解するために、私たちは理学療法士の方と話し合いを重ねました。理学療法士の方々は日々多忙で、毎回異なるリハビリプランを素早く設定しなければなりません。また、患者様は手の機能を改善したいという思いを強く抱いています。そのため、リハビリのたびに回復を実感できるようにする必要がありました。リハビリロボットを実際に使用していただいた3人の理学療法士と1人の患者様から、改善策についてアドバイスをいただきました。

デザインと使いやすさの追求

初めにユーザーフローと基本的な設計を行い、続いてビジュアルデザインの開発へと進めました。デザインについては、近未来的なイメージをもとに、はじめはニューモーフィズムなデザインを試みました。

外観は魅力的なものになったものの、実際に試用すると画面が明るく、操作が難しいことがわかりました。コントラストが不足しているため白っぽく見えてしまい、ユーザーにとって扱いづらかったのです。

ボタンのデザインは、実際に指でクリックできるようなデザインに変更し、画面全体をよりシンプルで操作しやすいデザインに改良しました。影を強調して、色のコントラストを高めたデザインに変更した結果、理学療法士や患者様が直感的に操作できる画面設計を実現できました。これらの改良により、「近未来的でクールな」印象から「温かく、フレンドリーで親しみやすい」という印象に近づけけることが可能になりました。

Once a patient's hand was hooked up, the robotic hand needed to be fine-tuned on this finger adjustment screen. 初期版
One of the early visual designs for this screen. ニューモーフィズム
A light mode for this screen. Another early iteration. ライト
A dark mode for the finger adjustment interface. We thought it looked cool, but perhaps didn't look very approachable for a healthcare setting. ダーク
The final version of the finger adjustment screen, with improved color contrast for users コントラスト (リリース版)

親しみやすいアイデンティティ

ご利用いただく患者様にとって親しみやすいデザインを取り入れるように心がけました。シンプルでありながら、医療的な要素を排除することで、リハビリを身近に感じられ、楽しく取り組めるようなデザインになっています。

MELTzのプロジェクト開始当初は、特定のブランディングがなかったため、デザインと同時にクライアントから新しいブランディングを作ることも依頼されました。クライアント様の要望は、「医療のイメージを持たせない温かみのあるデザインにしたい」とのことでした。最新でクールでありながら、リハビリをする患者様にとって安全で親しみやすい機器を作りたいという強い意志がありました。この思いを念頭に、クライアントのビジョンに合ったデザインとロゴを開発しました。

ロゴ作成のストーリー

ロゴについては、私たちでいくつかのアイデアを提案しながら、クライアントの目指す雰囲気を模索しました。その結果、シンプルで親しみやすい現在のロゴが完成しました。「MELTz」のロゴは、最後の「z」を小文字にして他の文字を大文字にしており、Hertzのロゴからインスピレーションを受けています。また、丸みを加えることで、よりフレンドリーな雰囲気を表現しています。

MELTIN MMI社との協力により、ビジュアルアイデンティティが完成しました。MELTzは現在、患者様にとって親しみやすく、同時に高いリハビリ効果を持つ製品として、医療現場で活用されています。

MELTz logo explorations
Some design system components for the medical device's software user interface

継続的な発展への仕組みづくり

製品の改良は、優れた製品であっても必要不可欠なものです。MELTzについても同様であり、MELTIN MMI社の開発者たちは日々研究を重ね、改良を行っています。私たちでは、プロジェクトが持続的に発展するため、デザイン システムを作成しました。デザイン システムのボタンやパーツを使用し、開発者たちは改良や新しい機能に挑戦できます。

A promotional roll-up screen for the MELTz medical device, part of the marketing collateral set

MELTzの発売へ

現在、MELTzは日本市場で販売されております。医療現場で、脳卒中を患った方々の手の回復を促進するために重要な役割を果たしています。

詳しくは、MELTzのウェブサイトをご覧ください。